借金返済とクラスメイト
「おはよう借金返済。宿題はやってきたかな借金返済。と言うか、今日はいい天気だね借金返済」「借金返済って連呼するなよ。つーか『おはよう借金返済』って、俺の苗字が借金で、名前が返済みたいじゃないか」「はっはっは。サブリミナル効果ってのを知ってるかい? あるいは、刷り込み効果とか。こうやって常に借金返済と言う単語を口にし続ければ、君もこちらに借金を返済する気が起きると言うものだ。きっと」「いや、むしろ絶対に返済なんかしてやるもんかって、そんな変な意地すら湧いてくるんだが……?ムカつくし」「なんと?それは駄目だ。借金返済をしないと言うのはもう、一種の裏切り行為だよ。こちらは君が返済してくれると信じたから、君に借金をさせてあげたわけだ。そう、つまりは信用、信頼。借金と返済と言う名前の、強い絆だよ。それを裏切るのかな?」「借金返済だなんて名前の絆はごめんこうむるし、むしろ率先して裏切りたいぞ」「君も意外に強情だね借金返済。いい加減にしたまえよ、借金返済クン」「って、おい。今まさに借金返済が俺の名前に変わったぞ?止めてくれ」「止めて欲しければ、借金返済を終えることだね借金返済」「なんかもー、早口言葉のような状態になってるな、お前」「ふっ……昨日の夜、上手く行くように密かに練習した甲斐があったというものだ」「なぁ、実は馬鹿なんじゃないか、お前? 何なんだ、この嫌がらせは」「借金を返済しない外道に、馬鹿と言われる道理はないさ」「ったく、しつこいヤツだな。自分だって、俺から割と色々借りるくせに」「それはそれ、これはこれという格言もあるのだよ」「分かったよ。今出すから、ちょい待ってくれ。カバンの横のポッケに……」「ふむ。何だかんだと言いつつ、しっかりと用意しているところが君らしいね。僕は最初から信じていたよ」「ここぞとばかりに返済要求してくるだろうとは、薄々予想してたからな。と言うか信じてたなら、連呼するなよ」「こちらの性格を掴んでいるね。ふっ、借金の絆は元より、友情という名の絆が僕らにはあるからか……」「どっちも切りたくなったけどな。その前に、露骨に話題をそらすなよ。俺は連呼すんなって言ったんだ。OK?」「はっはっは。またそう言う冗談を。本当は連呼もされたいだろうに」「いや、俺はマジだけどな。んっと……ほら、これでいいだろ? もう借金返済は完了だよな?」「な、なんだい、これ?」「前に立て替えてもらった飯代と、先週の件のと、あとは、えーっと」「いや、そう言ったことじゃなく、もっと物理的な事を聞いてるんだが?」「ああ、それが何かって事だな」「そうだよ。なんだい、この妙に重い小袋は」「予想はついてるだろ?」「ま、まあね」「察しの通り、全部一円玉だ。ちゃんと俺が返済したかどうか、自分で数えろ。責任を持って」「せ、責任?」「俺とお前の間の借金問題だろ? 銀行とかに作業を外部委託するなよな。地道にやれ。数え続けろ」「ふふふ。まさか、借金返済で嫌がらせをされるとは思わなかったよ」「それはまぁ、俺も同感だけどな。朝からアレだけ連呼されるとは思わなんだよ」会話結果報告:クラスメイト間の借金返済が、完了いたしました。